選考結果発表
第3回目となるデジタルイラストコンクールでは全国29都道府県の中学生のご応募がありました。
多くのご応募ありがとうございました。
入選作品86点の内、大賞1点と優秀賞3点が決まりました。
入賞作品・入選作品は『第3回デジタルイラストコンクール作品展』にて展示をいたします。
第3回デジタルイラストコンクール
本コンクールも3回目の開催となりました。
今回は全国29都道府県の中学生の方から多くのご応募をいただきました。非常にレベルが高く、厳しい選考となりました。中には技術的に商用でも通用する強度の作品もあり、全国の中学生のレベルの高さと、デジタル端末と描画アプリケーションの普及に驚かされました。
中学生を対象としたデジタルイラストコンクールですが、イラストというと本来は依頼を受けて制作をおこなうものです。コンクールという事を考えると、ある意味、主催者側が依頼主ともとれます。しかし、このコンクールのテーマは「自由」。つまり、お題に対して応えるものではなく、応募者側から何かを伝えてもらうものになっています。
そういった意味では、どの作品も応募者一人ひとりの好きな世界観や作風、作品、興味関心、大切にしているものが伺え魅力のある作品ばかりだと感じました。
今回の審査では、その作者の伝えたい何かが、いかに伝わってくるかを軸に見させていただきました。それは技術的な高さだけではなく、試行錯誤の中で到着した表層の痕跡や、その年代でなければ描けない熱量と相まって、説得力のある作品を形成しています。
大賞のY・Eさんの作品「魔女のお休み時間」。画面全体を通して試行錯誤した描画の痕跡が伺えます。ブラシの重なりで、結露したガラスの表情や灯りのやわらかさもリアル表現されており、時間帯や気温、静けさといった目に見えない要素も感じ取れる作品になっています。また、描かれた魔女や生き物、窓枠、レンガといったモチーフは細かいところもこだわりが感じられ、描かれた世界観が伝わってくる良作です。
優秀賞の金城さんの作品「狼とウサギの結婚式」は表現的な色彩と密度の高さが魅力に感じました。「こうに描きたい!」という熱量が感じ取れる作品です。一見、全体像の判断がしづらいように感じますが、鑑賞の中で図と地が浮かび、キャラクター同士の関係や楽しい要素が見つけ出せる作品になっています。
小浜さんの「平和」は、コンクール全体でも目立った作品でした。キャラクターをメインしたイラストとは異なり、まるで映画のワンシーンのような映像的なスケール感を感じさせてくれます。構成や描画に課題は感じられますが、作者の作品に込めた想いがストレートに伝わり、説得力のある作品です。
白鳥さんの「純真無垢」は背景になっている額縁を使用した装飾性と、天使がバランスよく構成されて描かれています。少ない色幅でまとまっていますが、天使の影を巧みに入れ、背景とキャラクターの位置関係がよく伝わります。描写も一貫してモチーフ全体を描き切っており完成度の高い作品になっています。
入選作品も粒ぞろいです。是非、応募者の力作をご覧ください。
最後に、本コンクールにご応募くださいました学生の皆様、並びに、ご助言・ご協力くださいました皆様に心より御礼を申し上げます。
今回は全国29都道府県の中学生の方から多くのご応募をいただきました。非常にレベルが高く、厳しい選考となりました。中には技術的に商用でも通用する強度の作品もあり、全国の中学生のレベルの高さと、デジタル端末と描画アプリケーションの普及に驚かされました。
中学生を対象としたデジタルイラストコンクールですが、イラストというと本来は依頼を受けて制作をおこなうものです。コンクールという事を考えると、ある意味、主催者側が依頼主ともとれます。しかし、このコンクールのテーマは「自由」。つまり、お題に対して応えるものではなく、応募者側から何かを伝えてもらうものになっています。
そういった意味では、どの作品も応募者一人ひとりの好きな世界観や作風、作品、興味関心、大切にしているものが伺え魅力のある作品ばかりだと感じました。
今回の審査では、その作者の伝えたい何かが、いかに伝わってくるかを軸に見させていただきました。それは技術的な高さだけではなく、試行錯誤の中で到着した表層の痕跡や、その年代でなければ描けない熱量と相まって、説得力のある作品を形成しています。
大賞のY・Eさんの作品「魔女のお休み時間」。画面全体を通して試行錯誤した描画の痕跡が伺えます。ブラシの重なりで、結露したガラスの表情や灯りのやわらかさもリアル表現されており、時間帯や気温、静けさといった目に見えない要素も感じ取れる作品になっています。また、描かれた魔女や生き物、窓枠、レンガといったモチーフは細かいところもこだわりが感じられ、描かれた世界観が伝わってくる良作です。
優秀賞の金城さんの作品「狼とウサギの結婚式」は表現的な色彩と密度の高さが魅力に感じました。「こうに描きたい!」という熱量が感じ取れる作品です。一見、全体像の判断がしづらいように感じますが、鑑賞の中で図と地が浮かび、キャラクター同士の関係や楽しい要素が見つけ出せる作品になっています。
小浜さんの「平和」は、コンクール全体でも目立った作品でした。キャラクターをメインしたイラストとは異なり、まるで映画のワンシーンのような映像的なスケール感を感じさせてくれます。構成や描画に課題は感じられますが、作者の作品に込めた想いがストレートに伝わり、説得力のある作品です。
白鳥さんの「純真無垢」は背景になっている額縁を使用した装飾性と、天使がバランスよく構成されて描かれています。少ない色幅でまとまっていますが、天使の影を巧みに入れ、背景とキャラクターの位置関係がよく伝わります。描写も一貫してモチーフ全体を描き切っており完成度の高い作品になっています。
入選作品も粒ぞろいです。是非、応募者の力作をご覧ください。
最後に、本コンクールにご応募くださいました学生の皆様、並びに、ご助言・ご協力くださいました皆様に心より御礼を申し上げます。
学校法人 愛 泉 会
芸術工芸高等専修学校
デジタルイラストコンクール
担 当 佐藤 一大
芸術工芸高等専修学校
デジタルイラストコンクール
担 当 佐藤 一大
『第3回デジタルイラストコンクール作品展』
会期:2025年11月1日(土)・2日(日)11:00~15:00
※2025年度芸工祭(文化祭)内にて展示します。
会場:芸術工芸高等専修学校 校舎(東京都多摩市和田1717-2)
大賞
優秀賞
優秀賞
「純真無垢」白鳥 心葉さん(中学2年生)
作品コメント
デジタルイラストだからこその良さを出したかったので、画面の外の世界の汚なかったりする色々なことを、御伽話のような画面の中で何も知らずに生きてきた、まさに純真無垢という言葉が似合う天使の女の子を描きました。そして御伽話=架空の物語なので背景に額縁を描くことで、天使の女の子=架空の物語の人物というのを表現しました。さらに白百合を描くことで、白百合の花言葉「純潔」「無垢」「飾らない美」などの、このイラストのテーマをより深く表現できだと思います。工夫した点は大まかな影をつけたことで前後感をわかりやすくしたところと、服や羽根の質感を意識して塗ったところです。他にも、髪の流れは束感を意識しながらも一定の流れにならないように自然にバラけさせながら描き、肌の影はくすんだように見えないようになるべく明るい色を使って描き込みました。それでも単調な塗りにならないような塗り方をしました。まだ羽根と服が同じ白系統だったので色相を変えることで違いを出しました。自信のあるところは、足のリボンの光沢感や目の描き込み、指の付け根の立体感を出す為の回り込みや、足の立体感やツヤ感、スカートの軽やかな靡き方です!質感や雰囲気にこだわったことで御伽話のようにメルヘンで儚い、どこか高級感のある世界観のイラストになったと自信を持って言えます!




















































































